
結論:搭載必須!!正当な賠償を受けるための「ドライブレコーダー」
ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)は、運転中の映像と音声を記録する車載カメラです。
国土交通省の調査によると、2020年時点で自家用車保有者の53.8%が搭載しており、大手電機メーカー等の調査でも50%を超える結果が出ています。
今後も搭載車両は増加傾向にあると考えられます。
ドラレコの普及は、交通事故の処理や保険金受取の結果に良い影響を与えています。
本稿では、ドラレコの有用性について解説します。
ドラレコとは
運転中の映像と音声を記録する車載カメラであり、事故発生時の証拠や、近年増加しているあおり運転の抑止・証拠として有効です。記録した映像を振り返ることで、自身の運転を客観的に分析し、安全運転意識の向上にも繋がります。駐車時の監視機能を持つモデルも存在します。
価格帯は幅広く、安価なモデルであれば1万円前後、前後2カメラや高画質なモデルは2~3万円程度です。4万円以上の高価格帯モデルでは、4K高画質録画、高性能な駐車監視機能、スマートフォン連携機能などが搭載されています。
事故時に有効な理由
事故発生時、最も重要なことの一つは証拠を記録することです。
法律上、相手に賠償を求める場合、被害者側が立証責任を負います。
その際、ドラレコの映像は事故状況を明確に示す強力な証拠となります。
事故状況は、時に想像以上に詳細な点が結果を大きく左右します。
事故状況の確認で主にヒアリングされる項目を以下にまとめました。
事故場所
事故時間
道路種別(幹線道路、生活道路など)
道路の形状(直線、カーブ、交差点など)
信号や標識の位置
自車両の位置と進行状況
自車両の損傷部分(位置、高さ)
相手車両の位置と進行状況
相手車両の損傷部分(位置、高さ)
情報において重要なのは「正確性」です。
例えば、「直進中に、路肩から相手車がぶつかってきた」という報告ではなく、
「幹線道路の第一車線を走行中、一旦停止標識のある側道から相手車両が自車の左後方ドア部分に衝突してきた」
といった、より詳細な情報が求められます。
ドラレコがあれば、事故の正確な状況を保険会社と容易に共有できます。
万が一、相手が事実と異なる主張をした場合でも、正しい事実を証拠として提示することが可能です。
交通事故の交渉が長期化する要因の一つに、事故状況の認識のずれがあります。
誤った事故状況に基づいて交渉が進むと、納得のいかない結果に繋がる可能性も否定できません。
ドラレコの普及により、正確な情報に基づいた迅速な事故処理が可能となり、事故交渉にかかる時間も大幅に短縮されています。
また、不当な主張を退け、正当な賠償を得ることにも繋がります。
ドラレコの性能について
過去に受けたドラレコについての質問を元に少し解説します。
Q:どれぐらいの性能を選ぶべきか
A:自車や相手車の動きが記録できれば大丈夫!(価格帯は1万円前後)
まず、最低限ほしい機能は「自車や相手車の動きを記録」することです。
当たり前ですが、販売されているほとんどのものは上記はクリアしています。
そして、画素数に関してはフルHDを選べば問題ありません。
一先ずは安価なモデルであっても、最低限の証拠を押さえられます。
ただし、ナンバープレートの認識については、状況によって難しい場合があることは留意しておきましょう。
デメリットは、1万円前後であればリアカメラがついていないモデルが多く、あおり運転に関しては効果がありません。
また画素数を考えると相手ナンバーを確認できる可能性は低いです。
(ナンバープレートの認識は、動体、撮影角度、時間帯など様々な要因に左右されます。)
*5,000以下のドラレコを搭載していた時期がありましたが、事故時の証拠としては充分機能しました。(対向車がスリップして当たってきた事故でした。)
Q:おすすめのドラレコ
A:とりあえずリアカメラ搭載モデル!
あおり運転だけじゃなく、ながら運転による追突事故に対しても対策が必要です。
昼間のもらい事故の場合は、相手のナンバーを撮影できる可能性は高いです。
当て逃げされるにしても、ぶつかった後にバックをしてから走り出します。
急な動きじゃなければ、コマ送りすればナンバーがわかる可能性が高いと考えられます。
前後録画モデルも買いやすい価格帯になってきたので非常におすすめです。
*追突された際、データをコマ送りするとナンバー確認ができました。(AM8:00頃の事故)
Q:録画時間はどれぐらい?
A:64GBぐらいのSDカードにしましょう!
ドラレコに付属のSDカードは、16GBまたは32GBのことが多いです。
容量が小さいと録画可能時間が短く、上書き保存で消えてしまう可能性があります。
前後録画モデルでも数時間分の容量を確保できる64GBぐらいがおすすめです。
現状、私自身は17,000円程の前後録画モデルに64GBのSDカードを使用しています。
トータルで23,000円程で、4年ほど使用しています。
月額に換算すると500円程なのでリスクに対する備えとしては非常に安価です。
もらい事故の際にはしっかり効果を発揮しましたので、充分な恩恵を受けたと感じています。
前後録画搭載モデル、64GBのSDカードであれば、交通事故に対する備えとして満足できるものです。
ドラレコ使用の注意点
少し注意点を挙げておきます。
現状、ドラレコを装着している方も参考にしていただけると幸いです。
・録画設定
常時録画+衝撃検知録画の場合、衝撃検知録画でSDカードの容量がいっぱいになる場合があります。
容量がいっぱいになると追加録画できなくなるため、適宜削除するか衝撃検知録画OFFにすることをおすすめします。
・SDカードの初期化
常時録画は、容量がいっぱいになると古いデータを削除し、新たにデータを保存する仕組みです。
理由は割愛しますが、削除をしてもわずかに容量は残るため、100%の容量を使えるわけではありません。
そのため、たまにSDカードの初期化をすることが推奨されています。
・タイムラグ
常時録画は、一定時間ごとに録画を繰り返す仕組みです。
(例えば、3分ごとの動画ファイルとして連続録画する仕組みです)
このファイルが移り変わる瞬間、少しのタイムラグが録画されない場合があります。
録画設定の確認とSDカードの定期的な初期化は非常に重要です。
怠ると、いざという時に録画されていなかったという後悔に繋がりやすいのでご注意ください。
まとめ
交通事故におけるドラレコの重要性について解説しました。
結論として、ドラレコは現代の自動車にとって必要不可欠な装備と言えます。
その理由は、交通事故発生時に自身の正当な権利を主張するために不可欠な証拠となるからです。
事故の状況を正確に立証することは非常に困難であり、当事者間の主張が食い違うことも少なくありません。
ドラレコの記録映像は、このような状況において客観的な証拠となり、事実に基づいたスムーズな事故処理と、正当な賠償へと繋がる可能性を高めます。
ドラレコを選ぶ際には、自車や相手車両の動きを記録できる最低限の性能に加え、あおり運転や追突事故対策としてリアカメラ搭載モデルをおすすめします。
SDカードは64GB程度の容量を目安に、十分な録画時間を確保しましょう。
また、ドラレコを正しく活用するためには、録画設定の確認とSDカードの定期的な初期化が重要です。
これらの点を怠ると、いざという時に録画されていなかったという事態を招きかねません。
交通事故は予期せず発生するものです。
万が一の事態に備え、ドライブレコーダーを適切に装備し、活用することで、自身の権利を守り、スムーズな問題解決に繋げましょう。
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