温暖化で増える台風被害|もしもの時に役立つ【保険請求】の注意点

火災保険

近年、大型化・激甚化する台風が暮らしに与える影響は深刻です。
もし住まいが被害に遭ってしまったら、頼りになるのが火災保険ですが、「どう請求すればいい?」と戸惑う方も多いでしょう。

この記事では、台風被害に遭った際にスムーズに保険金を請求するための具体的な注意点を解説します。
いざという時に慌てず、適切な保険金を受け取るために、ぜひ一緒に確認していきましょう。



補償について

以前の解説でもお伝えした通り、火災保険では風災も補償の対象です。
当然、台風による被害は「風災」に該当します。

火災に比べると被害が小さいと思われがちですが、台風による損害は一度発生すると、想像以上に高額な修理費用につながることも少なくありません。
特に近年は請求件数が非常に多く、ご自身の補償内容をしっかり確認しておくべき災害と言えるでしょう。


被害を受けた際の対処方法

ここでは補償内容に関しては割愛します。
詳しくは下記の記事をご参照下さい。
→何に火災保険をかけるべき?|わかりにくい補償対象を解説


①応急処置

被害を受けた際にまず行うべきは応急処置です。
二次被害を防ぐため、ご自身でできる範囲で対応しましょう。
ただし、屋根の損傷など危険が伴う場合は、無理せずすぐに専門の工務店に連絡し、安全な処置を依頼してください。
災害後は建物がもろくなっている可能性もあるため、ご自身の安全を第一に、無理のない範囲で作業を進めましょう。


②工務店へ連絡

被災後は、速やかに工務店へ連絡することをおすすめします。

台風被害は広範囲にわたることが多いため、工務店は非常に多忙になります。
すぐに来てもらえるとは限りませんが、連絡を早めに入れることで、対応がスムーズになる可能性が高まります。


③保険会社へ連絡

保険会社への連絡も、できるだけ早い段階で行いましょう。
迅速に連絡することで、保険金請求に必要な書類や手続きの流れを確認でき、その後の行動が明確になります。

火災保険の請求で必要なものですが、
・物件全景が確認できる写真
・損害箇所が確認できる写真
・修理見積書

この3点になります。

特に、損害箇所の写真はご自身で撮影するのは難しいです。
工務店が修理見積書と合わせて写真撮影も引き受けてくれることが多いので、依頼するようにしましょう。


④必要書類の提出と支払い手続き

上記の書類が揃ったらすぐに保険会社に提出しましょう。
提出方法はアプリが便利です。詳しくは下記の記事をご覧ください。
→記事

提出後、保険金の査定には通常3日~7日ほどかかりますが、被害規模が大きい災害の場合や、損害状況によっては損害鑑定人が現地に立ち会うケースもあり、さらに時間を要することもあります。
そのため、なるべく早く書類を提出することが、スムーズな手続きにつながります。

保険金の査定が完了したら、保険金請求書に署名などをし入金という流れになります。



スムーズな請求のために知っておきたいこと

言葉で書くと手間が目立ちますが、実際は工務店や保険外交員がリードしてくれますので簡単に請求できます。
ただ、書類を提出してすぐに入金というわけでは無いので、その点はご了承いただければと思います。

台風に関しては広域災害になりやすので、特に工務店への連絡は早めに行うようにしてください。
工務店も応急処置や修理見積書作成、資材の確保、着工と非常に忙しくされます。
保険金が入金されても、修理が半年後になったというケースも実際に合った為、早めの連絡を心がけていただけると幸いです。



よくある質問

質問:台風の際に、隣家の瓦が飛んできた。隣家に賠償請求できるのか?
解答:隣家に過失が無いため、賠償請求は出来ません。

賠償責任とは過失があった場合に発生するものです。
台風によって瓦が飛んできたことは、あくまで台風の仕業です。
ですのでご自身の火災保険でしか補償されません。

例えば隣家が空き家の屋根が崩れそうで、修繕依頼をしていたが、瓦が落ち被害を受けた場合は別です。
所有者の管理不備で起きた事故に関しては、被害者は賠償請求をできます。
何が原因で事故が被害が出たかということがポイントですのでご注意ください。

質問:屋根瓦が台風で飛ばされ、屋根の1/3に被害が出たため、屋根全体を葺き替えなければいけなくなった。しかし、保険金は満額出なかったのはなぜ?
解答:火災保険は、実際の損害があった部分に対して補償される仕組みです。上記の場合は、被害にあった屋根の1/3が補償対象となります。

この語弊は良くある為、私は契約時にしつこいぐらいに説明していました。
正直、説明が無ければ修理費用満額が補償されると思うのも無理はないかと思います。
しかし、保険約款や重要事項には必ず上記の内容は明記されていますので、必ず目を通して頂ければと思います。

一部の葺き替えであれば数十万円から百数十万円で収まりますが、全体の葺き替えとなると数百万円となります。
認識の違いで百万円以上の誤差が出るのは、かなりのストレスとなります。
こういった齟齬や誤解をなくすためにも、しっかり補償内容については確認いただくようお願いいたします。



まとめ

今回の記事では、近年増加している台風被害に遭われた際に、火災保険をスムーズに請求するための具体的な注意点を解説しました。

被害発生時は、誰もが動揺し、何から手をつけて良いか分からなくなるものです。
しかし、この記事でご紹介した「応急処置」「工務店への連絡」「保険会社への連絡」「必要書類の提出」という4つのステップを順に進めることで、焦らず対応を進めることができます。

また損害認定範囲に関する誤解など、よくある質問と解答も参考にしていただければ、より安心していただけるはずです。

台風は自然災害ですが、事前の知識と適切な行動があれば、被害からの復旧を早め、経済的な負担を軽減することが可能です。
この情報が、あなたの「もしも」の時に役立つことを心から願っています。


コメント

タイトルとURLをコピーしました