自転車で通行人にぶつかってしまった、子どもがお店の商品を壊してしまった、飼い犬が人に噛み付いてしまった…。
こうした日常生活で起こりうる「まさか」の事故で、もし他人にケガをさせてしまったり、物を壊してしまったりしたらどうなるでしょうか?
状況によっては、数千万円もの高額な損害賠償を請求されるケースもあり、ご自身の家計に大きな負担がかかる可能性があります。
そんな時、あなたの代わりに損害賠償金を支払ってくれるのが「個人賠償責任補償特約」です。
この特約は、単独で加入することはほとんどなく、火災保険や自動車保険、傷害保険などに「特約」として付帯するのが一般的です。
本記事では、この非常に役立つ「個人賠償責任補償特約」について、その基本から補償範囲、そしてどんな人に特におすすめなのかを分かりやすく解説します。
万が一の事故からご自身やご家族を守るための一助として、ぜひ最後までご一読ください。
個人賠償責任補償特約とは
個人賠償責任補償特約は、日常生活において、ご自身やご家族が他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる特約です。
これは、不注意による事故が対象となり、故意に引き起こした事故は補償の対象外となります。
個人賠償責任補償特約は「他人への賠償責任」を補償する点がポイントです。
ご自身やご家族の生活を守る上で、非常に重要な備えと言えるでしょう。

補償の対象となる人(被保険者)
この特約は、特約を契約しているご本人だけでなく、そのご家族も補償の対象となるのが一般的です。
- 契約者本人
- 契約者の配偶者
- 契約者または配偶者の同居の親族(子ども、父母など)
- 契約者または配偶者の別居の未婚の子
これら広範囲の家族をまとめてカバーできる点が、個人賠償責任補償特約の大きな特徴であり、メリットの一つです。

2. 補償範囲と主な事故例
個人賠償責任補償特約は、日常生活で起こりうる幅広い賠償事故をカバーします。
補償の対象となる事故例
具体的な事故例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 自転車事故:自転車に乗っていて歩行者とぶつかり、相手にケガをさせてしまった。
- 買い物中の事故:お店で商品を誤って落とし、壊してしまった。
- 子どもの不注意による事故:子どもがショッピングモール等で走り回り、商品を壊してしまった。
- 水漏れ事故:アパートやマンションで、洗濯機のホースが外れて下の階の部屋を水浸しにしてしまった。
- ペットによる事故:飼い犬が散歩中に他人を噛んでケガをさせてしまった。
このように、私たちの日常生活には、ふとした不注意で他人に損害を与えてしまうリスクが潜んでいます。
補償の対象とならない主なケース
一方で、以下のようなケースは補償の対象外となるのが一般的です。
- 故意による事故:わざと他人に損害を与えた場合。
- 業務中の事故:仕事中に発生した事故。
- 自動車やバイクの運行中の事故:自動車保険やバイク保険でカバーされるため、個人賠償責任補償特約では対象外です。
これらの他にも補償の対象外となるケースがありますので、必ずご加入の保険会社の保険約款をご確認ください。
3. どんな人が個人賠償責任補償特約を検討すべき?
「まさか自分が加害者になるなんて」と思うかもしれません。
しかし、日常生活のリスクは意外と身近に潜んでいます。特に、以下のような方は、この特約の加入を強くおすすめします。
- 自転車に乗る機会が多い方
自転車は「軽車両」とみなされ、歩行者との事故では高額な賠償責任を負うケースが増えています。 - 小さなお子さんがいるご家庭
お子さんの予測不能な行動による事故(お店の商品破損、他人への接触など)は日常茶飯事です。 - ペットを飼っている方
散歩中の予期せぬ行動や、自宅でのトラブルなど、ペットが原因で他人に損害を与えるリスクがあります。 - マンションやアパートに住んでいる方
水漏れ事故などで下の階や隣の部屋に損害を与えてしまうリスクがあります。
まとめ
今回は、日常生活に潜む「もしも」のリスクからご自身やご家族を守る「個人賠償責任補償特約」について解説しました。
この特約は、自転車事故や子どもの不注意、水漏れ、ペットによるトラブルなど、私たちの身の回りで起こりうる様々な賠償事故に備えるための非常に重要な備えです。
高額な賠償金に直面した際に、家計への致命的なダメージを防ぐセーフティネットとして機能します。
多くの場合、火災保険や自動車保険、傷害保険などに「特約」として付帯できるため、ご自身の保険契約を見直す際に、この特約が付いているか、また補償内容が十分かを確認することをおすすめします。
重複加入を避けるため、すでに別の保険に付帯していないかも確認しましょう。
日々の安心のためにも、この機会に個人賠償責任補償特約の加入や見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
適切な備えをすることで、より安心して毎日を送ることができるでしょう。
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