家族に「もしも」の時、経済的な心配をさせたくない。定期保険は、必要な期間だけ手厚い保障を、割安な保険料で準備できる生命保険です。この記事で、その賢い活用法を解説します。

大切な家族のために、万が一のことがあった時に「お金の心配だけはさせたくない」と願う方は多いのではないでしょうか？
特に、働き盛りで一家を支える方にとって、もしもの時に残された家族の生活がどうなるか、不安に感じることもあるかもしれません。

そんな「もしも」の時に、残されたご家族の生活を経済的に守るのが「生命保険」です。
生命保険にはいくつかの種類がありますが、中でも「定期保険」は、必要な時期に、必要な保障を、効率的に準備できる保険として注目されています。

「保険料は抑えたいけれど、いざという時にはしっかり備えたい」
「子育て期間中だけ保障を手厚くしたい」

このように考える方に特におすすめなのが定期保険です。

本記事では、定期保険がどんな保険なのか、その特徴や仕組み、そしてどんな人に特におすすめなのかを分かりやすく解説します。
ご自身のライフステージに合わせた最適な備えを考えるための一助として、ぜひ最後までご一読ください。

定期保険とは？その基本を解説

定期保険は、保障期間があらかじめ決められている生命保険です。
保険期間中に被保険者（保険の対象となる人）が死亡または高度障害状態になった場合に、ご家族に保険金が支払われます。

「定期」という名前の通り、保険期間が10年間、20年間、または60歳まで、70歳まで、といったように設定されています。
この期間中に何もなければ保険金は支払われず、満期を迎えると契約は終了します。
一般的に、掛け捨て型の保険であり、解約返戻金や満期保険金がない（もしくはあってもごくわずか）ため、その分、保険料が割安に設定されているのが特徴です。

定期保険の主な特徴

保険期間が一定
10年、20年といった期間や、60歳、65歳といった年齢で保障が終了します。

掛け捨て型
満期保険金や解約返戻金がない（またはごくわずか）ため、保険料が安く抑えられます。

保険料が割安
保険料は、他の生命保険（終身保険など）に比べて、比較的安価に設定されています。

保険金額を自由に設定可能
ご自身のニーズに合わせて、必要な保険金額を設定できます。

定期保険の仕組みと種類

定期保険には、大きく分けて「全期型」「更新型」「逓減型」といった種類があります。

全期型定期保険
契約時に定めた保険期間中、保険料が変わらないタイプです。
例えば、60歳満期の定期保険を30歳で契約した場合、30年間、同じ保険料で保障が続きます。
保険料が一定で家計管理がしやすいというメリットがあります。

更新型定期保険
保険期間が10年や20年といった短い期間で設定されており、その期間が終了すると、改めて保険を更新できるタイプです。
更新時には、その時点での年齢で保険料が再計算されるため、一般的には保険料が上がります。
ただし、契約当初の保険料を安く抑えたい場合や、ライフステージの変化に合わせて保障を見直したい場合に柔軟に対応できるメリットがあります。

逓減（ていげん）型定期保険
保険期間の経過とともに、保険金額が段階的に減少していくタイプです。
例えば、住宅ローンの残債額や子どもの成長に合わせて、必要な保障額が減っていくことに対応できます。
保険金額が減る分、保険料は全期型や更新型に比べてさらに割安に設定されていることが多いです。

どんな人が定期保険を検討すべき？

定期保険は、その特徴から特定のライフステージやニーズを持つ方に特におすすめです。

子育て世帯の方お子さんが小さい間は、万が一の時に残された家族の生活費や教育費が最も必要となる時期です。
定期保険で必要な期間だけ手厚い保障を準備し、教育費のピークに合わせて保険金額を見直すといった柔軟な対応が可能です。

住宅ローンを組んでいる方住宅ローンを組むと、契約者が死亡した場合にローンの残債がなくなる「団体信用生命保険」に加入することが一般的です。
しかし、それだけでは残された家族の生活費が不足する可能性もあります。
定期保険を組み合わせることで、残された期間の生活費を補填できます。
特に、逓減型定期保険は、住宅ローンの残債額の減少に合わせて保障を調整できるため、無駄なく備えられます。

保険料を抑えながら、必要な保障を確保したい方終身保険のように貯蓄性はないものの、その分保険料が割安です。
保険料の負担を抑えながら、本当に必要な時期に大きな保障を確保したい場合に適しています。
特定の期間だけ保障を手厚くしたい方例えば、定年退職までの期間だけ、または子どもが独立するまでの期間だけ、といったように、保障が必要な期間が明確な場合に効率的な備えができます。